アパレルメーカーに勤める一城篤史は、三十歳の販売促進部主任。<br />現社長の大原が齢七十を超え、もうすぐ引退との噂が駆け巡り、にわかに後継者争いが熾烈になった社内だったが、一城にとってはどこ吹く風、雲の上の話と日々の仕事をこなしていた。<br />そんな折り、社長候補の専務秘書より呼び出しがかかり……。<br />