没落公家の一子王麻呂は、珠のごとき美貌の持ち主で、大金と引き換えに、謎めいた男、十右衛門の元へ行った。<br />雲上茶屋「桃源宮」では、絹縄と木馬が用意され、男を悦ばせる数々を仕込まれる。<br />まばゆいばかりの容姿を持った人間の常として、野獣のような男達への捧げものにされる運命なのだ。<br />やがて固い蕾も淫らに綻ぶころ、王麻呂は、江戸随一の大店の若旦那、好色な新之助のもとへ。<br />妖しくも美しいファンタジー、登場。<br />