賢治と結婚し、彼の実家へと嫁いできたかおり。<br />長男・竜治も生まれ、彼女の目の前には幸せな人生が広がる筈だった…。<br />そこに立つのは一本の桜の樹。<br />賢治の家族ばかりか、その地域に住む全ての人びとが信仰する様に溺愛している桜。<br />だが、かおりにとって、この桜の樹は邪魔で、面倒で、いまわしい存在でしか無かったのだ。<br />