北嵯峨の僧庵で、出家し世俗から逃れるように隠れ生きていた清祥。<br />しかし、自分の運命を狂わせた男が再び彼の前に現れ―。<br />まだ十代の頃、桜舞散る京都で出会った闇色の双眸の男・竜二郎。<br />両親を知らずにいた清祥は祖母の葬儀から拐われるように連れられた屋敷で、己が月嶋組組長の息子であることを知る。<br />世話役として、竜二郎に実父の前で犯された清祥は、同性にねじ伏せられ支配される屈辱と恐怖を感じながらも、身に潜む業を引き出されていき―。<br />