『霊媒師』として代々続く〈諏訪〉の名を継いだ斎。<br />触れた人の痛みを引き取ってしまう不思議な力を持つ彼を、先代の息子である将人は守るべき存在としてずっと見守っていた。<br />斎も、将人に触れたときだけは何故か痛みが消え、その体温に癒やされて―。<br />気付かないうちに誰よりも側にいて、将人の特別であることが当たり前になっていた。<br />…だけど、このままでいいのだろうかと、漠然と生じてきた違和感と不安から、二人の関係に変化が現れて―。<br />