『おれと寝てください、と言ったら？』その言葉に、笹本は訳もなく震えた。<br />――この二年の間、忘れることのできなかった男との突然の再会は、笹本を戸惑わせる。<br />検事と被疑者として出会い、冤罪ですべてを失わせた男、清瀬。<br />その負い目から笹本は、彼の望むままその体を委ねた。<br />自分は罪滅ぼしのため、彼は復讐のために。<br />ただそれだけのはずなのに、彼のキスはどこまでも優しく甘美な熱に溢れていて…ともすれば溺れそうになる自分に、笹本は―。<br />
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