若者たちの不安を煽るように、仏教推進の阿部上皇派が大学寮出身者を排斥し始め、儒教推進派の今上天皇・大炊帝との対立は激化していった。<br />斐麻呂が尊敬する桑原雄依は、儒学派から崇仏派に寝返った高丘比良麻呂を襲撃し、斬刑に処された。<br />雄依の無二の親友で弓の名手であった佐伯上信は、義に殉じた雄依の心を胸に、大炊帝とともに最後の戦に臨む。<br />権力や理不尽の中で生命を賭して「義」を貫こうとする大学寮の学生たち。<br />彼らの思いはどこへ向かう?