わしと共に、京の者たちを呪い殺そうとは思わぬか――。<br />薬師寺別当に任命され、遠い京から下野国にやってきた道鏡は、行信という僧から禍々しい誘いを持ちかけられる。<br />一瞬、道鏡の心を過ぎったのは……。<br />日本の威信と将来を担う人々の姿、奇跡のような瞬間が、奈良の都に満ちる。<br />『若冲』の著者による、人生の機微に触れる傑作歴史小説。<br />