財政再建、農地開拓に生涯にわたり心血を注いだ米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)。<br />寵臣の裏切り、相次ぐ災厄、領民の激しい反発──それでも初志を貫いた背景には愛する者の存在があった。<br />名君はなぜ名君たりえたのか。<br />招かれざるものとして上杉家の養子となった幼少期、聡明な頭脳と正義感をたぎらせ藩主についた青年期、そして晩年までの困難極まる藩政の道のりを描いた、著者渾身の本格歴史小説。<br />