夕暮れの峠の茶屋に、一人の女性が車の故障で助けを求めてきた。<br />親切を装う茶店の夫婦は彼女に猿轡を噛ませ凌辱する。<br />峠で失踪した妻を探し執念の捜査を続ける警視庁刑事の曾我は、一年三か月後、白骨化した妻と対面した。<br />一方、諏訪湖を見渡す峠に、茶店の借り受けを申し出る夫婦があった。<br />店の所有者桐生は、夫婦を性の奴隷として屈従させ、異常な関係を続けるが……人間の業の深淵を描く表題作他、全四篇。<br />