お江戸の歌舞伎に水もしたたる若役者が登場した。<br />その男・中村菊之助の左腕には紅蝙蝠の彫物があった――。<br />折しも大岡越前守の許に重大情報がもたらされた。<br />十七年前の御金蔵破りの下手人が今にして判明した由。<br />一味は左腕に紅蝙蝠を彫り、しかも江戸のどこかに三千両がいまだ埋められているというのだ。<br />菊之助と賊の繋がりは、そして埋蔵金はいずこに? 名探偵・文七が始動した!