「…月夜の晩に、ピエロどの、文が書きたや、筆貸しゃれ…」 夜半に目覚めると仲秋の月が明るかった。<br />11階から見おろす公園は彼には故郷。<br />月ののぼる時、彼は母をまざまざと感じる。<br />「月迷宮」他、赤江美学溢れる10編を収めた短篇集。<br />