敏腕刑事といわれた上条昌彦が職を失ったのは、合意のはずの女から強姦と騒ぎたてられ、告訴されたからだ。<br />そんな上条が小野里家から娘マキの警護を頼まれる。<br />玉の輿の結婚を控えている彼女に、最近不審な電話がかかってくるというのだ。<br />上条が小野里家に赴いた夜、近くで女性が暴行のはて絞殺される。<br />これがおぞましい事件の発端だった。<br />――暴行という極限状況を主題に、男女の愛欲を描く長篇推理。<br />