エリート中央官僚だった利根川四郎は、その職も妻も捨てた。<br />部下の水原姫子が丸三興易常務を殺したことを信じなかったからだ。<br />個人的な感情を彼女に持っていたわけではない。<br />彼女を首にしようという処理に反発しただけだ。<br />失踪した彼女を探す旅に出た彼につきまとう男、別居中の妻の不倫の行状が謎をはらんで迫る。<br />生きることの意味を見いだすための追跡。<br />男のロマンを謳うサスペンス巨篇。<br />