垰という名の峠の麓に黒神左記は立った。<br />見るからに嶮しい岩山の峠越えである。<br />素人の旅人にはきつい道だ。<br />登り始めた時、左記は一人の老人と出会った。<br />岩介と名乗ったその老人はおもむろに「岩鷹」について語り始めた。<br />峠越えをする者は必ず岩鷹に見つめられるという。<br />同道を申し出た岩介は岩鷹を捕えて啖うという。<br />そして項近くでついに二人は岩鷹と出会った! 人間の狂気に鋭く迫るハードロマン巨篇。<br />