三木秀彦は婚約者の姉・今日子に心魅かれていた。<br />その今日子が、戦死したはずの従兄に偶然出会い、しかも彼女と離婚した男がかつて従兄の兵隊仲間だと知るや彼は「殺してやる」と叫んだ。<br />その呪いは、今日子たち姉妹が襲われるという形で現実となり、妹は即死、姉は重傷を負った。<br />婚約者の死で、三木は今日子と結ばれるかもしれないとひそかに期待したのだが……。<br />不毛の愛の孤独を描く長篇推理秀作。<br />