ゆえあって組織暴力団の用心棒をつとめる羽根沢は、たった1人の肉親の臨終を見とるべく愛車で病院に急行する途中、見知らぬ老女と接触事故を起こした。<br />緊急時でもあり、大した怪我でもなさそうなので、そのまま放置したところ、翌朝、新聞には《老女、ハネられた上で絞殺》と報じられていたではないか。<br />羽根沢は恋人と共に仕組まれた罠の解明のために奔走を始める。<br />――老人の孤愁と懊悩に挑んだ異色長篇推理!