平凡なサラリーマンの典型と思われていた人事課長の宇佐美が殺されたのは忘年会の席上でだった。<br />自殺とは思われず、容疑は同席していた13人に集まったが、何度事情を聴取して誰にも殺人の動機は見当たらなかった。<br />が、宇佐美の死によって何人かの社員はひそかに胸を撫で下したはずだった。<br />6カ月後、捜査本部が解散のやむなきにいたったころ、会社を辞めていった1人の女がいた。<br />表題作ほか秀作6篇収録。<br />
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