ウラン鉱の人形峠に近い御霊町では、先住民と新興住民の間で町を二分する諍いが続いていた。<br />ある日、先住の反町長派急先鋒・野川の娘が運河で溺死した。<br />防護柵の設置を再三、町長に陳情していた矢先だった。<br />続いて今度は町長の一人息子が絞殺されるに及んで、両派の不信と猜疑が一挙に爆発、血で血を洗う惨劇が始まった……。<br />滅びを呼ぶ人間の業と、国家権力の壮大な謀略を活写する傑作長篇。<br />