門前仲町の十手持ち紋三は、巷(ちまた)を騒がせている盗賊の件で、品川宿の半次親分に会いに行った。<br />その帰り道、高輪で激しい驟雨(しゅうう)に降られ、居酒屋の軒先で雨宿りしていると、店の女将に誘われ、食事をしていくことに。<br />出された鮨(すし)の味付けから、十五年前に紋三の地元にあった鮨屋と、ある事件を思い起こさせた。<br />十八人の子分たちとともに、江戸の治安に目を光らせる紋三の活躍を描いた四篇! 大江戸痛快捕物帳。<br />