尼崎藩江戸家老・塩谷隼人は、馴染みの船宿『海ねこ』で、お琴に給仕を受けていた。<br />七年越しで互いに憎からず想いあう二人。<br />願わくばお琴を娶(めと)り、共に余生を大事に過ごしたいと考える隼人であった。<br />ある日、色好みで知られる将軍家斉公がお忍びで市中に出掛け、偶然会ったお琴を見初めてしまう。<br />そして、お琴を大奥に迎え入れると高らかに宣言。<br />思いも寄らぬ騒動が始まった。<br />