葵慎之助がかつて住職を務めた浅草唯念寺では、宝暦の大飢饉で奥州から命からがら逃げてきた流民を保護していた。<br />慎之助が炊き出しの場を訪ねると、派手な格好の若い女たちが流民に粥(かゆ)を配っていた。<br />その時、銃声が鳴り響き、椀を抱えた流民が即死。<br />炊き出しの場ではこのような狙撃が頻発しているという。<br />その鉄砲の腕前に、慎之助はある心当たりがあった──。<br />人気シリーズ、完結篇!