伊豆の地にひとり流された源頼朝は、寄る辺なく、生きる希望も失いがちな少年だった。<br />だがある日、意外な客が訪れた。<br />かつて頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた笛の名手・草十郎と、妻の舞姫・糸世の運命もまた、この地に引き寄せられていたのだった……。<br />土地神である竜と対峙し、伊豆の地に根を下ろしていく少年頼朝の姿を、ファンタジーの名手が描く異色作!