藻屑蟹 【合本版】
選考委員、激賞! 62歳、住所不定、無職の大型新人、第1回大藪春彦新人賞を受賞し、鮮烈デビュー! の受賞作には続きがあった! 受賞作に第二章?第四賞を加筆した全四章を合本! 編集部も騒然の問題作を、電子ファーストで緊急刊行!大藪春彦新人賞の選評●今野敏 選評(抜粋)内容の濃さで群を抜いていた。
この短い作品の中で、登場人物の印象を変えてみせている。
これはなかなかの筆力だ。
迷いなく受賞作に推した。
●馳星周 選評(抜粋)記念すべき第一回の受賞作がこのように完成度の高いものであることは、故大藪春彦氏も喜んでいるのではないだろうか。
●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋)世に出さなければならないという使命感を抱くほど、作品力は群を抜いていました。
●受賞の言葉(抜粋)書き続ければ報われると知った。
たとえ将来、路上に帰らざるを得ないほど困窮しても、日銭仕事に執筆の時間を犠牲にするくらいなら、わたしは何の躊躇もなく路上に帰ります。
その覚悟を受賞の言葉としたい。
●あらすじ二十七歳で人生を諦めた男。
彼は原発事故の模様をテレビで見ていた。
これから何かが変わる??そう信じて。
しかし待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことよる苛立ちだった。
六年後、彼は金を得るために、高校時代の友人・純也の伝手で除染作業員となる。
しかし、それは純也のある計画のために利用されているだけだった……。
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