江戸の北、月の名所道灌山にある小さな豆腐料理屋。<br />主の茂作が店仕舞いをしようという時、二人連れの男が暖簾をくぐった。<br />料理と酒に加えて芸者を呼んでくれと言われ、調子よく返事をしたはいいが、すでに月見の頃は過ぎ、芸者は皆出稼ぎ中。<br />その時、外を小さな狸(たぬき)が横切った。<br />芸者に化けてほしいと言うと、驚いたことに「あたいでよければ」と……。<br />風野亭〈読む落語〉第三席!