八丁堀の「なには屋」は、東西の味付けと食材を活かした料理が評判の見世。<br />ここを切り盛りするのは、大坂の廻船問屋「浪花屋(なにわや)」の次男の次平と妹のおさや、料理人の新吉だ。<br />馴染み客の紹介で、おさやの縁談がまとまった矢先、弟たちの様子を見に、長兄の太平が江戸へ下ってきた。<br />荷船とともに嵐に遭いながら助かったのに、行方知れずになってしまった父を探すことも目的だったが……。<br />書下し時代小説、第三弾。<br />