出征していた歌舞伎役者の紀上辰三郎は、復員後、彼を慕う弟弟子の香也と一座の再興を期す。<br />一方、辰三郎の上官だった宮本は巣鴨プリズンに収監されたが、GHQ所属のリオンの訪問を受け、諜報組織への参加を条件に出獄。<br />共産主義勢力の摘発に動く。<br />民間情報教育局CIEは歌舞伎演目の制限を示唆し、梨園は存立の危機に立っていた。<br />辰三郎はCIE懐柔に奔走するが。<br />書下し長篇サスペンス。<br />