九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里（しおり）は嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。<br />ある日、隣家に「抜かずの半五郎」と呼ばれる藩士が越してくる。<br />太刀の鍔（つば）と栗形（くりかた）を紐で結び封印していた。<br />澤井家の中庭の辛夷の花をめぐり、半五郎と志桜里の心が通う。<br />折しも小竹藩では、藩主と家老三家の間で主導権争いが激化していた。<br />大切な人を守るため、抜かずの半五郎が太刀を抜く！
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