越後岩船藩の江戸中屋敷に新蔵は疾(はし)る。<br />十歳の志保姫を国許に連れ戻すために。<br />街道筋には見張りがいる。<br />巡礼の親子に扮し、旅が始まった。<br />逃走劇の根底には江戸表と国許の確執があった。<br />間道を選んで進む道中に追っ手は翻弄される。<br />ところが新たな追っ手が行手を阻み、山火事が迫る中、強敵との死闘が待つ。<br />姫を連れて戻れるのか? 冒険小説の旗手シミタツならではの痛快時代エンタメ長篇!