「もし…」新太郎は女の声で目覚めた。<br />黒髪を乱した白衣のその女は、彼の分身にねっとりと舌を…明治四十五年、一高入学のため上京した新太郎は、情死した静香という凄艶な女の霊に男の初物を奪われた。<br />以来、霊が乗り移ったかのように到来した女運。<br />そんなさなか、静香が告げたのだ。<br />明日大変なことが起こると。<br />七月二十九日夜、御代の終わりが迫っていた…。<br />明治官能、最終話。<br /> ※本作品は、「おぼれやまず」を加筆修正した新装版です。<br />