弁護士志望の久能彩絵は、病床のまま失踪した兄・康彦を追って、かつての恋人・大神亮平とともに、青森県の冠野という地を訪ねることになった。<br />村の若き当主・加子母篤は彩絵らを出迎え、康彦が自分の姉・綸と結婚し、現在は入院中であると告げた…。<br />この地にはかつて飢饉の際、旅の僧侶が手から甘露のしずくを出し、村人たちの飢えを救った、という伝説が存在し、今日でも奇妙な因習が残っている。<br />彩絵と大神は、康彦の監禁を疑い、調査を開始する…。<br />