誤審【新装版】
群馬県の田舎町で起きた夫婦殺害事件の犯人として、被害者の幼馴染で建設現場労働者の大船貢が逮捕された。
濡れ衣であったが、前橋地方裁判所は懲役15年の判決を下す。
控訴審の高裁判決も一審と同じであった。
大船には妻と一男三女の子供がいたが、逮捕・裁判の過程で、妻は精神を病み、長女は事件を苦に中三のときに自殺、次女は行方不明となった。
冤罪によるマスコミ報道・地元住民のいじめによって貧しいながらも幸せだった家庭は一挙に崩壊したのだ。
三女・典子は高校卒業後、上京し働きながら看護学校を卒業し、看護師として働いていた。
末期ガン患者を世話する彼女の病室に、ある日、元教師の老人が入院してきた。
老人は毎夜うなされ、うわごとを繰り返すが、それは二人のひとの名前のようだった。
その名前とは、ひとりは自殺した彼女の姉であり、もうひとりは冤罪のもとになった殺人事件の被害者の名前だったのだ…意外なところから、自分を不幸のどん底に突き落とした殺人事件と、姉の自殺の真相をつきとめる手がかりを得た典子は、冷たい復讐の心を宿しながら謎を追い始める。
書き下ろし長篇社会派ミステリー力作。
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