「海道一の弓取り」と称された今川義元。<br />幼いころに仏門に出され、師父・太原雪斎とともに京都での学びの日々を送っていた栴岳承芳(のちの今川義元)は、兄・氏輝に呼び戻され駿府に戻る。<br />やがて氏輝は夭逝、還俗し家督を継ぐことになった義元に、同じく仏門にあった兄の玄広恵探が対抗、『花蔵の乱』と呼ばれる家督争いが起こる。<br />心を鬼にしなければならぬ――仏の道を捨て今川家総領としての道を選んだ、若き日の義元に焦点を当てた長篇歴史小説。<br />