十一代将軍家斉は、御用の間の書棚で不審な書物を発見する。<br />「土芥寇讎記」――諸大名二百数十名の辛辣な評価が記された人事考課表だ。<br />編纂を命じた五代綱吉公は、これをもとに腹心を抜擢したのでは。<br />そう推測した家斉は盤石の政治体制を築くため、綱吉に倣うことを決意する。<br />白羽の矢を立てられたのは小人目付として諸国探索経験のある射貫大伍。<br />命を懸けた至難の隠密調査が始まった!