老舗百貨店のオーナー一族三津田家と一介のサラリーマンの家から赤ん坊が誘拐された。<br />「生命の危険はない」という電話通告のみ残して、犯人は闇に消える。<br />「百合の香りの香水」の女をヒントに、単独で孫の行方を追った後者の姑のひき逃げ死を契機に、夫、恋人、妻、従業員、各自の思惑を抱えた者たちの相互不信のドミノ倒しが始まる……。<br />有栖川有栖が笹沢ミステリをセレクトするシリーズ第4弾!