CF
卑俗にして至聖、極微にして極大、さらには極北。
この小説家はほんとうに恐ろしい。
花村萬月せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。
それは全部CFのせいなんだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。
そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。
CFが全部やってくれる。
CFが知っている。
CFに行きたい。
尾崎世界観 クリープハイプ罪の責任を取る必要がない’無化’を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。
加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。
が、それに疑問を持つ男がひとり。
男はCFへのテロを計画していた。
人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女へ恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。
そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。
CFCFCF。
CFをめぐり、人々は交錯する。
罪とは何か。
責任のとり方を問う群像劇。
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