馬の首風雲録
地球を遠く離れた暗黒星雲で発見された犬似の知的生物──サチャ・ビ族。
人類の影響で急激な文明進歩を遂げた彼らは、人類の悪癖・戦争にも感化され、お互いに戦争を始めてしまった。
兵隊相手の雑貨商「戦争婆さん」と四人の息子たちも、それぞれの思惑で戦乱に巻き込まれていく。
戦場の滑稽と悲惨を黒い笑いでまとめ上げた筒井文学最初期の重要作。
(解説 成田悠輔)トクマの特選!イラスト 信濃八太郎〈目次〉1 馬頭型暗黒星雲は戦雲に包まれていた2 戦争婆さんはビシュバリクに帰ってきた3 戦争婆さんは二番めの息子を兵隊にとられた4 戦争婆さんはハラカイの湖を越えた5 長男ヤムは丘の牧草地で卑民ズンドローと酒を飲む6 戦争は始まった 第二甲隊はブシュバリクへ進撃する7 次男マケラは丙長の命令で斥候に出た8 次男マケラは手柄をたて丁長に昇進した9 長男ヤムは情報を握りトンビナイへ向かった10 三男トポタンは歌姫ラザーナの危機を救った11 三男トポタンは歌姫とともに軍隊を脱走した12 長男ヤムはトンビナイで売込みに狂奔した13 丁長マケラは心臓の入江で戦闘態勢に入った14 戦いは終り ズンドローは泣く泣く戦死者の報告をする15 雪の夕暮れ 戦争婆さんは老いた農婦の歌を聞く16 トンビナイでは戦争成金たちが夜ごと大宴会を開いていた17 農民解放軍は暴徒と化しトンビナイに火を放った18 長男ヤムはサガタのホテルで自殺をはかった19 隊長マケラの率いる船団は敵船団と宇宙で対決した20 戦争婆さんはシハードの廃墟で歌うたいにめぐりあった21 末っ子ユタンタンは計略で地球軍四大隊を全滅させたあとがき解説 成田悠輔
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