当直として老人病棟を見回る水原絵梨花の前に、枕を抱えた老婆の幽霊が! だが、それは患者の島川時枝だった。<br />時枝は一週間前に入院してきた八十歳の浅田源次郎のところに、毎晩やってきているのだ。<br />痴呆の症状なのか? 老いらくの恋なのか? 原因は、時枝の過去にあるらしいのだが……(「恋枕」より)。<br />新米ナースの目を通じて、人情の機微を描く快作!