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誰にも書ける一冊の本

疎遠(そえん)だった父の死に際して故郷に帰った「私」に手渡されたのは、父が遺(のこ)した原稿用紙の束。
気が乗らぬまま読み進めるうちに、過去にまつわるいくつかの謎が浮かび上がる。
果たしてこれは、父の人生に本当にあったことなのだろうか? 次第に引き込まれるうち、父と子の距離は、少しずつ埋まっていく――。
父親の死を通して名手が鋭く描き出す、生きる意味と、親子の絆(きずな)。




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