手にカッターナイフを握りしめ、街角で雨に打たれつづける女。<br />その姿を放ってはおけない二人の男。<br />女と同様、胸の奥に深い哀しみを抱えるヤクザ者。<br />生きるのに無器用な、売れない小説家。<br />それぞれの孤独が出会ったとき、ほのかに希望は生まれ、やがてそれは、大きな愛情へと育ってゆく。<br />太宰治賞作家が描く、ひとを愛するよろこびに満ち溢れた「純愛小説」の傑作!