カメラマンの国立敏夫は、ヨーロッパの裏町を写しまわり、強引な売りこみで海外で成功していた。<br />日本を思い出させるものといえば、離婚した妻との間の娘・江利の面影だけだ。<br />孤独なパリでのひとり暮らしをなぐさめるのは、娼婦のミレーヌ……。<br /> 女と夜を描き、現代のエゴイズムを鋭く抉る自選傑作集。<br />