六呂田録郎は娘と犬と暮らす推理作家。<br />自分と同じ名前の私立探偵が主人公の推理小説を執筆している。<br />ところがある日、「探偵さんですよね?」と声をかけられた。<br />六呂田は思わず依頼を引き受けてしまう。<br />締め切りが近いのに、原稿につまっていたからだ――。<br />はたして、妄想癖の遅筆作家に探偵がこなせるのか? 横溝正史ミステリ大賞落選作『夕暮れ密室』で、受賞作に匹敵する話題を攫った著者が描く、異色のハードボイルド妄想系。<br />