幕府・御馬方の娘住乃は、父の薦めで輸入された南蛮馬春砂(はるしゃ)の飼育係となった。<br />慣れぬ日本で、最初は頑なになっていた馬たちも、彼女の優しい心に触れて次第になついてくる。<br />幼い時の火傷の痕のためか、良縁に恵まれぬ住乃に、馬とともに来日した外国人ケイズルが熱い思いを寄せるが……。<br />(春砂) 競馬評論を廃業し、最初に発表した文芸的香り高い短編集!(『春砂』改題)