利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。<br />真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。<br />偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。<br />心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。<br />懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡される――。<br />子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。<br />