伊豆の旅館で板前が殺された。<br />容疑者は、「まずい料理の恨(うら)みは必ず晴らす」と喚(わめ)いて去った男女の客。<br />女は津軽三味線を持ち、「次は太宰治の生家・斜陽館に泊まる」と語っていた。<br />重要な手がかりだ。<br />なのに酒島警視はアルツハイマー病、西郷刑事は重い糖尿病。<br />そこで西郷の恋人・由紀が協力、逃亡情報を頼りに青森・秋田・山形の秘湯に潜入し、裸の検証を――。<br />さて、成果は?