石脇律子は死んでいた。<br />ふとんを3枚もその体にかけて。<br />彼女のまわりには、遺産問題でもめた腹違いの弟、たまに様子を見に来ていた姪、以前付き合っていた男、今付き合っている男。<br />容疑者はこの4人に絞られた。<br />動機は金銭絡みなのか、愛憎なのか──(「寒がりの死体」)。<br />京都府警検視官・江夏冬子は女性としての視線から、犯人像を鋭く推理する!