槍ヶ岳直下の坊主岩小屋で、恋人に宛てた遺書が発見された。<br />山岳救助隊員・紫門一鬼(しもんいっき)は付近を捜索するが、遺体は発見されず、それらしき人物の失踪届も無い。<br />遺書はいたずらか、それとも……。<br />新聞の記事を見て名乗り出てきた来宮(きのみや)亜綺子の話は、紫門にある重大な疑惑を抱かせた──。<br />孤独な魂と魂を結ぶ愛のかたちを描き切り、胸を打つ傑作!