「自殺の名所」である東京近郊のマンモス団地「高村」。<br />8月の早朝、一人の男が、植え込みにうつ伏して死んでいた。<br />男は、化粧品会社のセールスマンで、この団地の主婦層に人気があった。<br />身分が分かると、普段はおしゃべりの団地の奥さん方が、皆、一斉に奇妙なほどに沈黙してしまった……!? 直木賞作家が「事件」を抉る!