岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。<br />時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。<br />吉原で住み込みのお針子となったおとせの前には、遊女たちの痛切な生の営みがあった。<br />さまざまな恋模様、その矜持と悲哀。<br />そして自身にもほのかな思いが兆しはじめ……。<br />今宵ひと夜の夢をのせて、吉原の四季はめぐる。<br />哀切の傑作時代小説!