「えっ、とろんころんが何やと、仰有るんでっか? 滅相もない。<br />女の口からは、よう言えん。<br />そんな恥かしいもんだす」元芸者の老婆が語る七十年以上に及ぶ男性遍歴と女の生きざまを味わい深く描いた表題作。<br />その他、今もなお現代を抉り続ける鋭利な人間探求の眼で、愛欲の極限を追求し女の百態を活写した傑作群!